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「The Flinch」を読んで



ポーランドに来て始めの数週間はAirbnbに滞在していました。個室の部屋がありキッチンやシャワーのみ共有というそんなエアビーに泊まっていた時であった友人がPeterです。


毎朝5時くらいにシャワーを浴び、まだ暗い中キッチンで朝ごはんを食べながら読書をしていたPeter。物静かで哲学的な雰囲気を持っています。


そんな読書好きの彼が勧めてくれた本が「The Flinch」。なんと無料でだれでもダウンロードができる1時間半で読み終わることができるeBookです。



Flinchとは


Flinchとは何か危険を察知した時に、危険から身を守るために私たちが本能的に起こす反応です。登山中に熊を見かけたら、心臓の鼓動が速くなりその熊に気づかれないように遠く走って逃げます。熱湯に指が触れるとさっと熱湯から指を離します。


このように本来は私たちが生き延びていく上でFlinchが働くことはとても重要です。


しかし現代人は命の危険に値しないことにもFlinchをしてしまいます。プレゼンをする時に縮こまってしまったり、気になっている人をデートに誘えなかったり、大人数の前で挙手をして質問ができなかったり、、


このようなことにFlinchが働くことで、わたしたちの成長の機会を奪ってしまいます。


この本を書いた Julien Smithさんもインタビューで言っていたように、この本を何か行動を起こしたい人、何かをしたい人のために書いた本です。多くの自己啓発本が世の中にはありますが、ほとんどの人が読んだだけで満足してしまい実際の行動まで起こすことができていません。


このFlinchを理解し、Flinchを抑え込んで行動を起こすトレーニングをすることで、己の成長にもつながります。



子供への影響


みなさんはどんな幼少期を過ごしましたか?


ジャングルジムや木に登っては落ちてけがをしたり、熱いストーブを触ってやけどしたり、毛虫を触って手がはれたり、そんな傷だらけの幼少期を送ってきたでしょうか?


それとも、そんな傷だらけの他の子供たちをみて、自分は同じ過ちを犯すまいと観察していたでしょうか?あるいは親から危ないことはするなと止められていたかもしれません。


わたしたちが火が熱くてあぶないということを理解できたのは、火に触れて熱さを感じたからです。


このように、“傷”なくして“学び”なしといえます。


そんな中、現代人はセイフティーネットで守られた幼少期を子供に過ごさせてしまいがちです。


そんな環境で育った子供は大人になっても全てのことにおいて、自分を不快にさせてしまうだろうと予測をする癖がつき、そういったものから自分を遠ざけてしまうようになります。


そうなってしまっては、とても狭い世界で一生を終えることになるでしょう。




Flinchになれるためのトレーニング


では大人になったわたしたちがFlinchを抑え込んで行動を起こせるようにするにはどうすればいいのか。


毎朝冷水シャワーを浴びることです。裸になりシャワーの前に立ち冷たい冷水シャワーを浴びようとすると、どんな人でも戸惑ってしまいます。


私自身も冷水シャワーを朝に浴び始めて半年くらいが経ちますが、半年経った今でも温かいお湯から冷水に変えるまで、躊躇してしまいますし、自分の体が緊張してしまいます。


冷水シャワーを浴び始めた時は、きっと毎日繰り返していれば簡単になるだろうと思っていましたが、それは間違いでした。冷水に切り替える時に今でも独特の緊張感を感じます。体全体が冷水を浴びることに反対しているような感覚です。どう考えても(冷水シャワーは)命を危険にさらすようなことではないのに、またまだその行動にも起こしていないのに、そのことを考えるだけで、とても不安になって緊張してしまいます。


思い切って冷水シャワーを浴びる。


冷たいシャワーが体に刺激を与え、不快感が最高潮になります。


毎朝この緊張感(Flinch)を押し殺して冷水を浴びます。


だからこそ、冷水シャワーは誰もが毎日できるFlinchに慣れるためのトレーニングなのです。


冷水を浴びること自体は簡単にはなりませんでしたが、Flinchを押し殺すことに慣れることができました。

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